第9弾 エシカルツアー工場見学ツアーレポート


2014年2月8日(土)

老舗練り物屋が取り組む環境保護活動を知ろう

有限会社若松屋 下野工場店 

明治38年創業、カマボコ・はんぺいで知られる伊勢の「若松屋」さん。今も職人さんの手作りで変わらない味を提供してくれます。今回は若松屋さんが積極的に取り組む環境保護活動についてお話をうかがいました。また、今回は特別に、自分たちで魚をさばくところから、カマボコ作りを体験させてもらいました。

 

〒516-0003 

三重県伊勢市下野町653-9

TEL:0596-31-0123 / FAX:0596-31-0124

http://www.wakamatsuya.co.jp/

ツアーの様子


★第9弾スタート!

今回は伊勢の老舗カマボコメーカー『若松屋』さんの下野工場店にお邪魔しました。参加者の皆さま雪がチラつく中、来ていただきありがとうございます。小さなお子さまも合せて総勢19名の参加になりました。今回のエシカルツアーは体験がメインです。成形からのカマボコ作り体験は普段から行っている若松屋さんですが、エシカルツアーでは特別に魚をさばくところから体験させていただきました。



★さばくお魚は…?

社長の美濃さんから本日のカマボコ作りの概要を聞きました。今回使用するのは地元・伊勢湾でとれた『ハモ』。鋭い歯を持ち、ウナギのような姿した魚で、獰猛で小魚を丸飲みしちゃうそうです。そんなハモだけを使いカマボコを作ります。普段皆さまが食べているカマボコは色々な白身魚を混ぜ作られるモノ。美濃社長もハモ100%でカマボコを作るのは初めてなので未知の世界だそうです。さてさてどんな仕上がりになるやら...。



★体験開始ー!!

まずは主原料であるハモをさばいていきます。軽く社長にさばき方のお手本を見せていただき、参加者の皆さんすぐに実践!頭を落とし、腹を裂き内臓などを取り除きます。その後は三枚に下ろし、背骨と身を分けます。まな板に包丁を押さえつけるようにして皮をはいでいきます。子供たちには刃物を使うのが危ないのでスプーンを使って背骨周辺に残った身を集めてもらいました。魚は食べられる部分が全体の3割~5割と言われてます。若松屋さんでは食べられない骨や皮などの部分は肥料として再利用しています。



★水さらし

さばいたハモを機械でそぼろ状にしてもらいました。次の工程は水さらし。ハモの身を水にさらし水溶性タンパク質を溶かしていきます。用意していただいた桶に適量のハモの身を入れ水を入れます。水をいっぱい入れた後軽く手で混ぜます。その後不織布に入れ水気を取ります。これを2~3回繰り返します。水さらしはすればするほど白いカマボコができるそうですが、その分旨味も水に溶けて逃げてしまうそうです。



塩でコネコネ

水気を切ったハモの身を今度は塩を加えこねていきます。塩により塩溶性タンパク質を分解し粘りを出していきます。目安としてはハモの身100gに対して塩2~3%だそうです。手作業でこねていくと20~30分かかるそうなので、この工程の仕組みを理解していただいたところで、回収し機械で混ぜていただきました。

機械に混ぜてもらっている間にカマボコの板に名前を書きました。蒸し器で一度に蒸し上げるので自分で作ったものがどれかわかるようにするためです。

 



 ★ようやく形作り

いよいよすり身を板にのせ成形していきます。まず、社長のお手本を見せていただきました。刃のない「つけ包丁」を使いすり身をまな板いっぱいに伸ばします。伸ばしたものを「つけ包丁」を使いかき集めまた伸ばす。という作業を何度か繰り返した後、伸ばしたすり身を板で回収していきます。あとは「つけ包丁」で形を整え出来上がりです。きれいな半円を作るのが意外と難しいと社長はおっしゃっていました。 



1人1つずつまな板と包丁を借りカマボコの成形、開始です。まな板にすり身を伸ばす作業は、すり身が意外と固く力が必要でした。お手本は見せていただいている時は簡単そうでしたが実際は難しく熟練した技術が必要なのが身に染みました。皆さまも形を整えるのに苦労してる様子...。でも楽しそう。


最終段階とお楽しみ

⇐形を整えたカマボコを透明なフィルムで包み蒸し器へ。30分ほど蒸します。弾力を出すために一度高温で蒸しそのあと温度を下げまた上げるという作業が行われます。これを「坐り(すわり)」と言うそうです。

 

カマボコを蒸している間に若松屋さんの商品を試食させていただきました。鮭のフレークが乗っているカマボコやひりょうず、チーズ棒など多彩に用意してくださいました。ちなみに、おかげ横丁などで売られている食べ歩き用のチーズ棒やたこ棒で使用している棒は県内の間伐材からつくられたものだそうです。

 

 


⇑ 試食後はお買い物。商品の種類の多さに改めて驚かされました。皆さまお土産にたくさんご購入されていました。

  当日販売コーナーには並びませんでしたが、地元旅館で廃棄されていたアワビの肝を利用して作ったパスタソースも

  インターネットなどで販売しています。廃棄されていたものを有効利用することで環境保護につながっています。


★無事終了!

余った時間を使いアンケートにご協力いただきました。また環境保全についてのお話も伺いました。若松屋さんは「海づくりプロジェクト」と称して海の環境保全に取り組んでいます。鳥羽にある海の博物館が主催した「アマモ場と干潟の生きもの観察会」では参加協力し、アマモ場に大きく育って欲しいとの願いを込めて「海づくりプロジェクト」が準備したタイやヒラメの稚魚を放流したそうです。


お話しが終わるころカマボコが蒸しあがりました!!皆さま自分のカマボコを手に記念写真をパシャッ!!最後に社長から締めの言葉をいただきツアー終了となりました。作ったカマボコは持ち帰りお家で楽しんでいただきました。ツアーの実施時間は約4時間。今までで最長でした。参加者の皆さまお疲れさまでした。

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